【twelve】6月「海のオード」

6月「海のオード」

立本夏山,海のオード
12ヶ月連続ひとり芝居、フェルナンド ・ペソア作「海のオード」無事終わりました。ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。

やはりこの詩はとんでもないものです。この詩のスケールの大きさには本当に驚かされます。ひとりで波止場にたたずむ男のあらゆるものを感覚したいという欲求は、時間やあらゆる物事、ひとりの人間の枠を超えて、海に向かって果てしなく広がってゆきます。


良い詩や文学はどんなものでもそうなのですが、特に「海のオード」に向かい合っていると、改めて人間の尽きることない可能性を感じさせられます。生きる活力が湧いてきます。


今回で12ヶ月連続ひとり芝居3回目になりましたが、まだまだ始まったばかりです!


来月は正岡子規の「仰臥漫録」です。
この作品は、死の前年、病床にあってほとんど寝返りもうてないようになっていた子規が、日々の生活や思いなどを俳句や短歌とともに書き残した日記です。


今日はこれを一日読んでましたが、死と向き合う子規の、虚飾のない素直な言葉のなかに、ペソアとはまた違った、力強い人間のスケールの大きさを感じました。俳句や短歌も改めて読んでみると、こんなにもダイナミックなものなのかと心躍らせています。どんな作品になるのか今から楽しみです。

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来月は7月22日です。ぜひ茶会記までお越しください。
フェルナンド・ペソア

MEMO

【フェルナンド・ペソア】(1888−1935)

終生、リスボンの貿易会社の仕事に携わりながら、もっとも先鋭的な作品を残したポルトガルの国民詩人

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「海のオード」

彼は自身とは全く違う人格や作風を持つ複数の〈異名〉で創作をした。

「海のオード」は異名の造船技師アルヴァロ・デ・カンポスによる、あらゆる海に共振し、たたずむ男の賛歌。

▼上演スケジュール 
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